勉強会

3月の勉強会 (2022/03/31)

3月の勉強会は、Mさんによる抽象絵画の先駆者「カジミール・マレーヴィチ」でした。

 

マレーヴィチは、キエフで生まれ幼少期のほとんどをウクライナで過ごしています。

モスクワ美術大学へ入学したのちに、芸術の自由と自立性を目指し対象物を描かない「シュプレマティズム」の代表的な芸術家となります。

代表作の「黒の正方形」は、これまでになかった黒に塗りつぶされただけの斬新な作品。

国際的な評価を得たのですが、1930年代、スターリン政権下のソ連で美術に対する考え方の保守化が徹底され

抽象芸術を「ブルジョア」芸術とみなされ、反スターリンの疑惑により投獄されてしまいます。

56歳で亡くなるまでの数年間は、抽象画を描けず伝統的な印象派のように農民や風景を描くこととなりました。

マレーヴィチの作品は公開が禁じられ、ソ連崩壊まで隠されていたのです。

 

芸術家が表現の機会を奪われてしまうのは、悲しいことです。

政治によって弾圧された芸術家の作品や魂はどこへいってしまうのでしょうか。

自由に描けたり作品を鑑賞したりすることは、当たり前ではないのかもしれません。